弱者が強者に勝つランチェスター戦略を友人に伝えてみた

どうも、なつきです。

 

最近、友人のHくんに
ビジネスで大損した話を聞かされました。

 

原因としては、
彼が扱い慣れない商材をいきなり市場に投入したせいで、
ユーザーに興味を持たせることができなかったようです

 

Hくんは基本的に優秀なのですが、
昔から慢心しがちなところがあります。

 

僕らも結構いい年になってきたので、
もう少し気を引き締めたほうがいいかと思います。

 

なのでそれとなくHくんに
「ランチェスター戦略」を
話してみました。

 

ランチェスター戦略の概念の大本は、
イギリスのF.W.ランチェスター(1868〜1946)が
第一次世界大戦の頃に提唱した「ランチェスター法則」です。

 

この「法則」を、
ビジネスに応用するランチェスター「戦略」に発展させたのは、
コンサルタントの第一人者である田岡信夫さん(1927~1984)です。

 

1970年代のオイルショックで
疲弊した日本経済を背景に、

企業が生き残っていくための
新たなビジネス戦略として
田岡氏がランチェスター戦略を編み出しました。

 

ランチェスター戦略は、
「第一法則」と
「第二法則」の
ふたつで構成されます。

 

ランチェスター第一法則とは、
弱者にすすめられる戦略です。

 

ランチェスター戦略における「弱者」の定義は、
単に売上が低い企業を指すわけではありません。

 

たとえば、ある食品が
大ヒットして売上1位に君臨するA社は、
ランチェスター戦略でいうところの「強者」になります。

 

そして、類似商品を
販売してもA社に追いつけないB社以降の全企業が、
ランチェスター戦略においては、
すべて「弱者」とみなされます。

 

ランチェスター第一法則は、
こういう計算式で成り立つ法則です。

 

「戦闘力 = 武器効率 × 兵力数」

 

これではまったくピンとこない人が大半だと思うので、
もう少しくわしく解説しましょう。

 

ちょっとドラゴン○ール的な
「戦闘力」というワードを、
もっとビジネス的な「販売力」に置き換えてみます。

 

「販売力 = 武器効率 × 兵力数」

 

こうすることで、
少しは分かりやすくなったでしょうか。

 

武器効率は「質」、兵力数は「量」の概念です。

 

ただし、これはシンプルにまとめすぎていて、

武器効率は商品の価値や
営業スキルなど複数の要素を含みますし、

兵力数にも社員数、
商品の売り場面積などの要素があります。

 

ある業界で売上1位の大企業に比べて、
中小企業が販売力で劣る状況なら、

自社ならではの付加価値による
商品の差別化が必須となるでしょう。

 

そうして人員や資材を
投じて付加価値を持たせた商品を、
大企業とかち合わない(=競争にならない)市場に投入します。

 

いわゆるところの「局地戦」です。

 

いろいろな市場で大企業に
対抗しようとしても競り勝つことが難しいため、
需要が狭い市場に「質」と「量」を集中させればいいのです。

 

いまでこそ当たり前の販売戦略を最初に導きだしたのが、
このランチェスター第一法則というわけです。

 

ランチェスター第二法則は真逆で、強者のための戦略です。

 

強者の定義は、
上記のように特定分野で売上トップの企業が該当します。

 

必ずしも大企業が強者になる
パターンばかりではありませんが、
たいていはそうした企業が強者になるポテンシャルを備えています。

 

ランチェスター戦略における
第二法則の計算式はこうです。

 

「販売力 = 武器効率 × 兵力数の2乗」

 

ほとんど第一法則と変わらないような気がしますが、
「兵力数の2乗」が重要ポイントです。

 

武器効率の数値を10、
兵力数の数値を10と仮定して、

第一法則と第二法則の計算式に当てはめてみてください。

 

それぞれの計算結果を比較すると、

 

「販売力100VS販売力1000」

 

両者の間に圧倒的な差が
あることが分かると思います。

 

つまり第二法則では、
「質」を高い水準で平均化し、
アドバンテージである圧倒的な「量」を用いることで、
広い地域で売上を伸ばしていくことを目指します。

 

こちらのほうは「広域戦」というわけです。

 

あらゆる市場で高い売上がキープできていれば、
第一法則が介入する余地を与えずに済みます。

 

(まあ現実にはニッチな需要もあるものですが)

 

かなりザックリとした説明になりましたが、
ランチェスター戦略とはどういうものか
なんとなくは理解できたでしょうか。

 

冒頭で触れたHくんの話に戻りましょう。

 

彼はビジネスのほとんどを
ひとりで手がけているので、

武器効率(=商品のアピール力)と兵力数(=市場の把握)には

とりわけ力を入れていかなくては
なりませんでした。

 

自分が扱う商材の販売力を
増やすことをサボったHくんは、
局地戦にも広域戦にも対応できなかったのです

 

今回の損失はHくんにとっても相当こたえたみたいで、
改めてランチェスター戦略の重要性を認識したそうです。

 

ランチェスター戦略の
仕組みを理解することによって
マーケティングスキルが向上する効果もあります。

(必然的に市場調査をするため)

 

新しい商材を売り出そうというときには、
ランチェスター戦略を意識しましょう。

 

とりあえず今週末はHくんを飲みに
誘おうかと計画しています。

 

それでは!

 

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